家庭の電気代を徹底解析!電気を多く使う家電ランキングTOP3とその理由

TOP画像 家庭の電気代を徹底解析

「なんでこんなに電気代が高いの?」と感じたことはありませんか?
実は、家庭の電気代の大半は“あの家電”が占めています。

この記事では、電気を多く使う家電ランキングTOP3とその理由をわかりやすく解説します!
さらに、季節ごとの消費電力の変化や、今日からできる節電のポイントもご紹介します。
家計を見直したい方は必見です!

消費電力って何?|「W(ワット)」と「kWh(キロワットアワー)」の違い

電気代や家電の表示でよく見る「W」や「kWh」。
なんとなく見たことはあるけれど、実はしっかり意味を理解していない…という人も多いのでは?
でも、この2つの違いを知ると、電気代の仕組みがグッとわかりやすくなります。

まずは基本の単位からチェックしてみましょう!

よく見る「W」と「kWh」って何が違う?

電気を使うときによく見かける「W(ワット)」と「kWh(キロワットアワー)」。
これらの単位は、電気代を理解するためにとても大切ですが、実際には何を意味しているのか、少し混乱することもありますよね。今回は、これらの違いをわかりやすく解説します。

単位意味たとえるなら?
W(ワット)電気を使う強さ(パワー)蛇口から出る水の勢い(強さ)
kWh(キロワットアワー)実際に使った電気の量バケツにたまった水の量

表1:「W」と「kWh」の違い

ポイント

  • W(ワット)=どれくらい強いパワーで電気を使っているか
  • kWh(キロワットアワー)=どれくらい長く電気を使ったかを含めた“電気の量”

電気代は「どれだけの量(kWh)を使ったか」で決まるから、長く使えば使うほど、電気代は高くなるんだよ!

電気代はどうやって決まる?計算式をチェック

電気代は「使った電気の量 × 料金単価」で計算できます。この仕組みを知っておけば、どれだけ電気を使ったかでどのくらいの料金がかかるかが簡単にわかります。

具体例を見ながら、家電の使い方を見直してみましょう!

例:エアコンを1時間使った場合

エアコンの消費電力:1,000W(1kW)
使った時間:1時間
電力料金:1kWhあたり27円(※料金単価は電力会社やプランによって異なります)

【計算式】
1,000W(1kW)× 1時間 = 1kWh
1kWh × 27円 = 27円

この場合、エアコンを1時間使うと27円の電気代がかかります!
使う家電のワット数や使用時間を知っておくことで、電気代を簡単に予測できます。毎日の使い方を見直すと、節約にもつながりますね!

家庭の年間消費電力量の内訳|どの家電がどれだけ使ってる?

「最近、電気代が高くなってきた気がする…」そんなふうに感じたことはありませんか?
原因を知るには、まず“どの家電がどれだけ電気を使っているのか”を知ることが大切です。

実は、家庭の電気代は一部の家電に集中していることが多く、使い方によっては大きく節約できる可能性も!
この章では、家庭内での電力の使われ方をわかりやすく解説していきます。
「見える化」することで、無駄を減らすヒントが見えてくるかもしれません。

家庭で使う電気の内訳【グラフで紹介】

「うちの電気、何にそんなに使ってるの?」と思ったことはありませんか?
冷暖房や冷蔵庫、給湯など、家庭で多く電気を使う家電をグラフで紹介。自分の暮らしと比べて、節約のヒントを見つけましょう。

【年間】家庭における電力消費割合の図

図1:家庭における電力消費割合
出典:環境省|令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)の資料を参考に作成

家庭で年間に多くの電力を消費する家電には、エアコン(冷房・暖房)、冷蔵庫、照明などが挙げられます。
例えば、エアコンは年間の電力消費全体の約20%を占め、特に夏場や冬場には使用頻度が高まり、電気代の大きな要因となります。
冷蔵庫も同様に年間約20%の電力を消費し、常に稼働しているため安定した電力を必要とします。
一方、照明器具は家庭内での基本的な電力消費源であり、使用時間や照明の種類によって消費電力量が変動します。

これらの家電が多く電力を消費する要因としては、使用時間の長さ、設定温度の不適切さ、定期的なメンテナンスの不足などが挙げられます。

意外と盲点?あまり意識しない“電気を使うもの”とは

冷暖房や冷蔵庫だけでなく、実は普段使っている他の家電にも意外と電気を使っています。以下の家電にも注意が必要です!

  • テレビ
    →画面大きさ・画質によって消費電力大きく変わる
  • パソコン
    →起動・シャットダウン時消費電力大
  • 電子レンジ
    →一度の稼働で消費電力大、長時間使用は要注意
  • スマホの充電
    →充電コードのさしっぱなし、ちりも積もれば・・・

これらは、使っていない時も実は電気を消費していることがあります。特に待機電力は、使っていないのに電気が使われている状態。少しずつ積み重なり、電気代に影響を与えるので、見直すだけで意外な節約ができるかもしれませんよ!

季節でどう変わる?夏と冬の電気使用量のちがい

電気の使い方は、季節によって大きく変わります。
特に夏と冬は、冷暖房の使用が増えるため、電気代がぐんと上がりやすい時期です。それぞれの季節でどんな家電に注意すべきかを知ることで、無理なく効率的に節電することができます。
ここでは、夏と冬の代表的な電力の使い道を見ながら、節約のヒントを探していきましょう。

夏はここに注意!エアコン・冷蔵庫の使用量は?

夏場は、暑さ対策にエアコンをフル稼働させる家庭が多く、それに伴って電気使用量も急増します。

【夏季】家庭における電力消費割合

図2:電力消費割合(夏季)
出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネポータルサイト「家庭でできる省エネ」を参考に作成

夏の電力消費の特徴
  • エアコンの長時間使用による電力消費の増加
  • 補助家電(扇風機・冷風機・除湿機など)の使用増加
  • 冷蔵庫の消費電力の増加

夏になると、家庭内での電力消費が大幅に増加します。
特にエアコンの使用が増えることで、電気代に大きな影響を与えます。暑さ対策としてエアコンを長時間稼働させることが一般的ですが、その結果として消費電力が急増します。夏特有の消費電力のパターンとしては、日中や夕方にかけてエアコンの稼働時間が長くなる傾向があります。

高温多湿な気候下では、冷房の効率が低下し、より多くの電力を必要とするため、電気代が上昇しやすくなります。また、扇風機や冷風機、除湿機などの補助的な家電の使用も増え、総消費電力を押し上げる要因となります。

さらに、冷蔵庫の負担も増加しやすくなります。気温が高くなることで庫内を冷やすためのエネルギー消費が増え、電気代にも影響を与えるため、適切な設定温度や扉の開閉を意識することが重要です。

冬はやっぱり暖房と給湯がポイント 

冬は寒さ対策で暖房器具の使用が増えるため、電気代がグッと上がりやすい季節です。

図3:電力消費割合(冬季)
出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネポータルサイト「家庭でできる省エネ」を参考に作成

冬の電力消費の特徴
  • 暖房器具の使用頻度増加による電力消費の上昇
  • 給湯器の使用頻度増加による電力消費の上昇
  • 暖房の長時間使用や調理時間の延長

冬は寒さの影響で家庭の電力消費が大幅に増加します。特に、暖房器具が約30%、給湯器が約12.6%の電力を消費し、その使用頻度の増加が家庭全体の電気代に大きく影響を与えます。

冬に電力消費が増加する主な要因は、暖房器具と給湯器の使用です。
暖房器具は室内の温度を維持するため頻繁に使用され、外気温と設定温度の差(熱負荷)が大きくなることで、エアコンの消費電力も増加します。

その結果、冬は電気代が高くなりやすいのです。

また、給湯器も冬場は一日を通して使用することが多く、電力消費が増加します。
さらに、冬特有の消費電力の特徴として、暖房の長時間使用や調理時間の延長が挙げられます。

寒い日が続くと暖房をつける時間が長くなり、調理や食材の保存にかかる電力使用量も増える傾向があります。

冷房と暖房、電気代が高いのはどっち?

「夏と冬、どっちの電気代が高いの?」と疑問に思ったことはありませんか?
エアコンは季節を問わず活躍する家電ですが、実は“冷房”よりも“暖房”のほうが電力を多く使う傾向があります。
ここでは、冷暖房それぞれの電気代の違いや、その理由についてわかりやすく解説していきます。

外気温度室内温度温度差使用期間の目安
冷房35℃27℃8℃5月23日~10月4日の134日間
暖房7℃20℃13℃11月8日~4月16日の594日間

表2:冷房・暖房使用時の外気・室温の差
出典:経済産業省 資源エネルギー庁の資料を参考に作成

一般的な例で比べると、夏は外気温が35℃、設定温度が27℃で、その差は8℃。一方、冬は外気温が7℃、設定温度が20℃と、その差は13℃にもなります
エアコンは設定温度に達するまでフル稼働するため、外の気温と設定温度の差(=熱負荷)が大きい冬の方が、どうしても多くの電力を使ってしまいます。その結果、冬は電気代が高くなりやすいんです。

電気代を左右する“3大家電”|一番使っているのはコレ!

家庭での電気代を大きく左右するのが「エアコン」「冷蔵庫」「給湯器」の3大家電。

どれも生活に欠かせない存在ですが、使い方や季節によって電力消費に大きな差が出ます。この章では、それぞれの家電がどれだけ電気を使っているのか、特徴を紹介していきます!

エアコン|消費電力の波が激しい家電No.1

エアコンは家庭内で最も多く電力を消費する家電の一つです。
特に夏季にはその消費電力量が電気代の約30%を占めることもあります。

まずは、エアコンの電気代をタイプ別に比較した表を見てみましょう。

畳数(お部屋の広さ)電気代(年間)参機種照
6畳タイプ18,693円ダイキンRXseries S225ATRS-W(-C)
8畳タイプ21,545円ダイキンRXseries S255ATRS-W(-C)
10畳タイプ24,490円ダイキンRXseries S285ATRS-W(-C)
12畳タイプ31,992円ダイキンRXseries S365ATRS-W(-C)
14畳タイプ37,820円ダイキンRXseries S405ATRS-W(-C)
18畳タイプ51,305円ダイキンRXseries S565ATRP-W(-C)
20畳タイプ59,582円ダイキンRXseries S635ATRP-W(-C)

表1:エアコンのタイプ別電気代比較表
出典:ダイキン工業株式会社|住宅設備用カタログ 2025年2月 を参考に表を作成
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

エアコンの年間電気代は、1台あたり18,693円~59,582円と幅があり、使用状況や設定によって異なります。

また、畳数(部屋の広さ)によっても消費電力に差が生じ、電気代に影響を与えます。

エアコンを使用する際や購入を検討する際には、部屋の広さに適した機種を選ぶことが節約につながります。

冷蔵庫|年中無休!地味に効いてくる電気代

家庭で使用する冷蔵庫の年間消費電力量は平均約19%を占めており、1年間に約250kWh~350kWhの電力を消費することもあります。これは家庭全体の電気代に大きく影響するため、適切な選び方や使い方が重要です。

冷蔵庫のサイズ別電気代を見てみましょう。

冷蔵庫のサイズ電気代(年間)参照機種
1人暮らし向け(200L前後)10,013円HITACHI R-27V
2人暮らし向け(300~400L)10,416円HITACHI R-V38V
3人暮らし向け(400~500L)8,122円HITACHI R-HWC49X
4人暮らし向け(500~550L)7,812円HITACHI R-HXC54X

表2:冷蔵庫のサイズ別電気代比較表
出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社|キッチン家電冷蔵庫総合カタログ 2025-① を参考に表を作成
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

冷蔵庫は家族の人数や買い置きの量に応じた適切な容量のものを選びましょう。
表のとおり、容積が大きくなるほど必ずしも消費電力が増えるわけではなく、特に冷凍室の大きさが消費電力量に影響します。

ライフスタイルに合ったサイズを選ぶことが、電気代の節約につながります。

給湯器・お風呂まわり|冬に跳ね上がる要注意ポイント

お風呂や洗面で使うお湯は、冬になると使用量も温度もアップ。特に電気でお湯を沸かす給湯器は、寒い季節に消費電力が跳ね上がる傾向があります
長めの入浴や追い焚きの回数が多いと、電気代にも大きく影響するので要注意です。

要注意ポイント

  • 沸き増しを頻繁に行っている
  • お湯の設定温度が高い
  • 冬場など気温が低い時期に使用が増える
  • 電気料金プランがライフスタイルに合っていない
  • 給湯器の待機電力がかかっている

エアコン、冷蔵庫、給湯器は家庭の中で最も電力を消費する3大家電です。それぞれの家電の特性を理解し、使い方を工夫することで、無理なく電気代を抑えることができます。特に冬場の暖房やお湯の使い方は要注意。少しの見直しで大きな節約につながるかもしれません!

消費電力を“見える化”しよう

家電の消費電力を把握することで、無駄を減らし、効率よく節電できます。
ここでは、家電ごとの消費電力を測る方法や、家全体の電力使用をチェックできるツールを紹介します。
自分の電力消費を見える化することが、節約への第一歩です!

家電ごとの消費電力を測るには?

家電ごとの消費電力を知るには、「どこを見ればいいの?」と疑問に思う方も多いはず。

実は、家電を選ぶときや使っている家電の情報を確認するときに、次のポイントをチェックするのが大切です。

  • 消費電力量(Wh:ワット時)
    →家電が使用する電力の大きさを表します。使用時間が長いほど電気代に影響します。
  • 年間消費電力量
    → 1年間にその家電がどれくらい電気を使うかの目安。エアコンや冷蔵庫などはこの数値を参考に比較できます。

最近の家電には「年間消費電力量」が表示されていることが多く、使い方によって電気代が大きく変わる家電もあります。
また、今使っている家電もメーカーのウェブサイトなどで型番から調べることが可能です。
買い替え時にはこの「年間消費電力量」を比べることで、省エネ性能の違いがわかりやすくなりますよ。

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スマートメーターやHEMSと連携して家全体をチェック

「どの家電が、いつ、どれくらい電気を使ってるの?」そんな疑問をまるごと解決してくれるのが、スマートメーターやHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)です。
家全体の電気使用量をリアルタイムで“見える化”できるので、ムダな電力の把握や節電のポイントを見つけやすくなります。電気代の節約をもっと本格的に始めたい方におすすめのツールです!

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今日からできる!かんたん節電アイデア集

「節電って難しそう…」「何から始めればいいの?」と思っていませんか?
でも、ちょっとした工夫や使い方の見直しで、電気代はグッと変わってきます。
ここでは、エアコン・冷蔵庫・給湯といった“電気を多く使う家電”の上手な使い方や、日常の生活習慣で気をつけたいポイントをご紹介。

エアコン・冷蔵庫・給湯の上手な使い方

今日からすぐに実践できるアイデアを、ぜひ取り入れてみてください!

エアコンの節約術

「エアコンの電気代を抑えるには、ちょっとした工夫がカギ。」

設定温度の適切な調整:冷房時は28℃、暖房時は20℃を目安に設定
フィルターの定期清掃:月に1~2回の掃除でエアコンの効率を維持
室外機の適切な設置 :直射日光を避け、吹出口周辺に物を置かない
風向きと風の循環  :冷房時は水平、暖房時は下向き+扇風機・サーキュレーター併用

冷蔵庫の節約術

「冷蔵庫は24時間ずっと稼働しているため、使い方次第で電気代に大きな差が」

ドアの開閉回数の削減:頻繁な開閉を避け、庫内の温度上昇を防ぐ
食品の適切な収納:空気の流れを確保し、冷却効率を向上させる
放熱スペースの確保:冷蔵庫周辺に十分な隙間を設け、放熱効率を維持
設定温度の適切な調整:夏場は低め、冬場は高めに設定し電力消費を抑える

給湯の節約術

「実はお風呂や台所で使う給湯も、家庭の電気使用量の中では見逃せない存在」

お湯の温度設定を見直す:設定温度が高すぎるとその分ムダに
シャワーの時間を短く:10分→5分にするだけでかなりの節電に
追い焚きはなるべく避ける:入浴時間を家族でまとめてムダを減らす
節湯型のシャワーヘッドを使う:少ないお湯でもしっかり洗えるアイテムで効率アップ

エアコン・冷蔵庫・給湯は、家庭の電気代に大きく影響する家電です。
使い方をちょっと工夫するだけで、驚くほど節電につながることも。
毎日の習慣を見直して、ムリなく・ムダなく、電気代を抑えていきましょう!

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まずは電気使用量の確認や、適用されている料金プランの詳細を把握し、自身のライフスタイルに合ったプランであるかを検討しましょう。

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執筆者

小売電気アドバイザー

大山 泰正

小売電気アドバイザーの資格を持ち、電気の比較・情報サイト「エネべる」を運営しています。運営会社である株式会社enebellの代表取締役として、電力業界の最新情報や節約術に関する豊富な知識を提供。電力自由化や最適な電力プラン選びに関するアドバイスを分かりやすく解説しています。