節電のプロが教える!おうちで簡単節約術【7選】

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毎月の電気代、知らず知らずのうちに高くなっていませんか?
実はちょっとした工夫で、家計の負担をぐっと軽くすることができるんです。

この記事では、家庭で使う家電の中で電力を多く使うものや、すぐにできる節電ポイントをわかりやすくご紹介!

さらに、電力会社や料金プランの見直しについても解説します。今日からできる「簡単節約術」、ぜひチェックしてみてください。

家電別消費電力ランキング

毎日の暮らしの中で使っているエアコンや冷蔵庫、テレビ、照明など。
その中で「いちばん電気を使っている家電」はどれだと思いますか?

実は、季節によって電気の使い方は大きく変わるんです。
まずは、よく電気を使う家電を知ることが節電の第一歩。

ちょっとした工夫でムダなエネルギーを減らして、電気代の節約にもつなげていきましょう!

家庭の年間消費電力量が多い家電

【年間】家庭における電力消費割合の図

図1:家庭における電力消費割合
出典:環境省|令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査(家庭CO2統計)の資料を参考に作成

家庭で年間に多くの電力を消費する家電には、エアコン(冷房・暖房)、冷蔵庫、照明などが挙げられます。
例えば、エアコンは年間の電力消費全体の約20%を占め、特に夏場や冬場には使用頻度が高まり、電気代の大きな要因となります。

冷蔵庫も同様に年間約20%の電力を消費し、常に稼働しているため安定した電力を必要とします。
一方、照明器具は家庭内での基本的な電力消費源であり、使用時間や照明の種類によって消費電力量が変動します。

これらの家電が多く電力を消費する要因としては、使用時間の長さ、設定温度の不適切さ、定期的なメンテナンスの不足などが挙げられます。

主な家電の電気代は?簡単にできる節約ポイント【7選】

ここでは、エアコン、照明器具、冷蔵庫、テレビなど、主要な家電製品ごとの電気代と、簡単に実践できる節約ポイントについて詳しく解説します。
各家電の消費電力を理解し、効果的な節約方法を取り入れることで、電気代の削減を目指しましょう。

①エアコンの電気代って?節約のコツ

エアコンは家庭内で最も多く電力を消費する家電の一つです。特に夏季にはその消費電力量が電気代の約30%を占めることもあります。これは、エアコンの長時間稼働や設定温度の低さが主な原因です。

エアコンの年間電気代は、1台あたり18,693円~59,582円と幅があり、使用状況や設定によって異なります。また、畳数(部屋の広さ)によっても電気代は大きく変動するため、以下の表を参考に適切な使用を心がけましょう。

畳数(お部屋の広さ)電気代(年間)参機種照
6畳タイプ18,693円ダイキンRXseries S225ATRS-W(-C)
8畳タイプ21,545円ダイキンRXseries S255ATRS-W(-C)
10畳タイプ24,490円ダイキンRXseries S285ATRS-W(-C)
12畳タイプ31,992円ダイキンRXseries S365ATRS-W(-C)
14畳タイプ37,820円ダイキンRXseries S405ATRS-W(-C)
18畳タイプ51,305円ダイキンRXseries S565ATRP-W(-C)
20畳タイプ59,582円ダイキンRXseries S635ATRP-W(-C)

表1:エアコンのタイプ別電気代比較表
出典:ダイキン工業株式会社|住宅設備用カタログ 2025年2月 を参考に表を作成
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

エアコンの消費電力を効果的に抑えるためには、以下の節約術を実践することが重要です。

エアコンの節約術

  • 設定温度の適切な調整
    冷房時は28℃、暖房時は20℃を目安に設定
  • フィルターの定期清掃
    月に1~2回の掃除でエアコンの効率を維持
  • 室外機の適切な設置
    直射日光を避け、吹出口周辺に物を置かない
  • 風向きと風の循環
    冷房時は水平、暖房時は下向き+扇風機・サーキュレーター併用

年間節約金額 約5,500円

さらに、省エネ機能付きエアコンを選ぶことで、最新技術を活用したさらなる電気代の削減が可能です。
例えば、AI技術やインバーター技術を搭載したエアコンは、室内の温度や湿度、人の動きを感知して、最適な空調状態を自動で調整したり、必要な電力のみを使用するため、従来のエアコンに比べて消費電力を大幅に抑えることができます。
購入時には、省エネ性能や機能をしっかりと確認し、自宅の環境に最適なエアコンを選びましょう。

出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ 2024年版 を参考に作成

②照明の電気代とLEDに替えたらどれくらいおトク?

現在使用している照明器具の消費電力量は、種類や使用状況によって大きく異なります。
例えば、白熱電球は1個あたり約68ワットを消費するのに対し、LED電球では同等の明るさを約34ワットで実現できます。
この差により、同じ照明効果を得るために必要な電力量が大幅に削減されます。

シーリングライトの消費電力・電気料金比較表

図2:蛍光灯・LEDシーリングライト比較図
出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ 2024年版 を参考に作成
※年間点等時間:2000時間(1日5~6時間点灯した場合)
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

白熱電球からLED電球への切り替えを行うことで・・・

年間節約金額 約2,108円

これは、家中に複数の照明器具がある場合、さらに大きな節約効果となります。

LED電球は初期投資がやや高いものの、長寿命であり交換頻度が低いため、長期的には経済的なメリットが高いです。

③冷蔵庫の電気代は?見直しポイント3つ

家庭で使用する冷蔵庫の年間消費電力量は平均約19%を占めており、1年間に約250kWh~350kWhの電力を消費することもあります。これは家庭全体の電気代に大きく影響するため、適切な選び方や使い方が重要です。

冷蔵庫のサイズ別電気代を見てみましょう。

冷蔵庫のサイズ電気代(年間)参照機種
1人暮らし向け(200L前後)10,013円HITACHI R-27V
2人暮らし向け(300~400L)10,416円HITACHI R-V38V
3人暮らし向け(400~500L)8,122円HITACHI R-HWC49X
4人暮らし向け(500~550L)7,812円HITACHI R-HXC54X

表2:冷蔵庫のサイズ別電気代比較表
出典:日立グローバルライフソリューションズ株式会社|キッチン家電冷蔵庫総合カタログ 2025-① を参考に表を作成
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

冷蔵庫は家族の人数や買い置きの量に応じた適切な容量のものを選びましょう。

表のとおり、容積が大きくなるほど必ずしも消費電力が増えるわけではなく、特に冷凍室の大きさが消費電力量に影響します。ライフスタイルに合ったサイズを選ぶことが、電気代の節約につながります。

冷蔵庫の節約術

  • ドアの開閉回数の削減
    頻繁な開閉を避け、庫内の温度上昇を防ぐ
  • 食品の適切な収納
    空気の流れを確保し、冷却効率を向上させる
  • 放熱スペースの確保
    冷蔵庫周辺に十分な隙間を設け、放熱効率を維持
  • 設定温度の適切な調整
    夏場は低め、冬場は高めに設定し電力消費を抑える

年間節約金額 約3,800円

さらに、古い冷蔵庫から省エネ家電への買い替えを検討することで、年間数千円の電気代を削減する効果が期待できます。最新の省エネモデルは、断熱性能や冷却効率が向上しており、長期的な電気代の節約につながります。

冷蔵庫の効率的な使用方法を実践することで、家庭の電気代を効果的に削減することが可能です。適切な温度設定や日常の使用習慣の見直しを心掛け、無駄な電力消費を避けることが重要です。

④テレビの電気代、実は〇〇より高い!?

テレビは家庭内で一般的に主要な消費電力家電の一つとされています。特に大型テレビや高解像度モデルは、年間を通じて多くの電力を消費する傾向があります。

具体的には、最新の4Kテレビでは年間約200kWh以上の電力を使用することもあり、これが電気代に大きく影響します。

画質種類テレビのサイズ電気代(年間)参照機種
フルHD
液晶テレビ
43V型2,418円SONY BRAVIA KJ-43W730E
55V型3,596円SONY BRAVIA KDL-55W950B
4K
液晶テレビ
43V型3,472円SONY BRAVIA KJ-43X80K
55V型6,138円SONY BRAVIA KJ-55X80K
4K
有機EL
42V型3,844円SONY BRAVIA XRJ-42A90K
55V型5,797円SONY BRAVIA XRJ-55A80L
8K
液晶テレビ
85V型20,615円SONY BRAVIA KJ-85Z9H

表3:テレビの種類・サイズ別電気代比較表
出典:ソニーマーケティング株式会社|テレビブラビアカタログ を参考に表を作成
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

テレビの節約術

  • 画面の明るさの調整
    視聴環境に合わせて適切な明るさに設定
  • 使用していない時の電源オフ
    待機電力を防ぐため、使わない時は電源を完全に切る
  • 省エネモードの活用
    テレビやモニターの省エネモードを設定して電力消費を削減

年間節約金額 約850円

さらに、最新のテレビには省エネモードやスマート機能が搭載されていることが多く、これらを活用することでさらなる電力削減が可能です。省エネモードを有効にすることで、自動的に画面の明るさや動作を調整し、効率的な電力使用を実現します。また、スマート機能を利用して視聴時間を管理することで、無駄な電力消費を抑えることができます。
これらの設定や機能を活用することで、テレビの電気代を効果的に削減し、月々の光熱費を抑えることが可能です。ぜひ、日常的に実践できる節約方法として取り入れてみてください。

⑤洗濯機タイプ別!電気代の差と節約テク

毎日の洗濯に欠かせない洗濯機ですが、実はタイプによって消費電力や電気代に大きな差があるのをご存じですか?

「どの洗濯機が一番おトク?」「どうすれば電気代を減らせるの?」という疑問にお答えするため、タイプ別の電気代を比較しながら、今日からできる節約ポイントもご紹介します!

種類消費電力量
(洗濯時/乾燥時)
1ヶ月の電気代
※1(洗濯+乾燥)
年間の電気代
※1(洗濯+乾燥)
縦型洗濯機490kWh/1230kWh約2,500円約30,500円
ヒーター式
ドラム式洗濯機
180kWh/1130kWh約2,200円約26,400円
ヒートポンプ式
ドラム式洗濯機
190kWh/1050kWh約2,100円約24,500円

表4:洗濯機の電気代比較表
出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版 を参考に作成
※1:1日に洗濯1回30分、乾燥1回時間を行った場合で計算
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

洗濯機はタイプによって消費電力に差があり、特に縦型は洗濯時の電力が多めです。

また、どのタイプも乾燥時に多くの電力を使うため、乾燥機能の使い方が電気代に大きく影響します。
洗濯回数が増えるほど電気代も上がるため、使い方を見直すことが節約のポイントです。

洗濯機の節約術

  • 洗濯回数
    なるべく1回にまとめる
  • 省エネモード
    運転時間短縮、消費電力小さめ
  • 買い替え
    10年以上前が目安、電気代が大幅に抑えられるか

洗濯物の詰めすぎは逆効果。洗濯時間が長くなり、汚れも落ちにくくなるので注意!

洗濯機はタイプによって電気代に差が出やすい家電のひとつです。洗濯回数をまとめたり、省エネモードを活用するだけでも節電効果は◎。

10年以上前のモデルを使っている場合は、買い替えも検討してみましょう。ちょっとした工夫で、毎月の電気代をしっかり抑えることができますよ!

⑥キッチン家電の電気代、見逃してない?

毎日使うキッチン家電にも、意外と多くの電力が使われています。炊飯器や電子レンジ、IHクッキングヒーターなどは、ちょっとした使い方の工夫でしっかり節電が可能です。

この章では、キッチン周りの家電の電気代を比較しながら、手間をかけずにできる節約術を紹介します。
日々の料理や下ごしらえを見直して、ムダな電気をカットしましょう!

種類年間消費電力量1ヶ月の電気代年間の電気代
炊飯器83.8kWh216円2,597円
電気ポット250kWh646円7,750円
電子レンジ70.5kWh182円2,186円
IH1,170円14,040円

表5:キッチン周り主要家電の電気代比較表
出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版、一般社団法人日本電機工業会【小冊子】 電気をムダなく活かすIH [2022年8月改訂版] を参考に作成
※IHの電気代については4名家族の想定
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

キッチン周りの節約術

  • ずっと保温はNG
    お米は冷凍、お湯は保温ではなく再沸騰
  • 待機電力をカット
    長時間使用しない時はプラグを抜く
  • 電子レンジ
    ターンテーブル型は外側に、フラット型は中心に置く
  • 野菜の下ごしらえ
    ガスコンロ→電子レンジ

「早炊き=節電」は間違い

年間節約金額 約2,240円

キッチン家電は毎日使うからこそ、少しの工夫で大きな節電効果が期待できます。

保温のしすぎや待機電力のムダを減らすだけでも年間数千円の節約に。正しい使い方を意識して、家計にも環境にもやさしいキッチンを目指しましょう。

⑦トイレの便座も節電できる!意外な電気代対策

実はトイレの温水洗浄便座も、意外と電気を使う家電のひとつ。とくに冬場は便座や洗浄水の保温に電力がかかりやすく、気づかないうちに電気代がかさんでしまうこともあります。

この章では、便座の種類ごとの電気代を比較しながら、今日からすぐにできる節電ポイントをわかりやすくご紹介します。

種類節電モード年間消費電力量1ヶ月の電気代年間の電気代
貯湯式使用161kWh約415.9円4,991円
不使用226kWh約583.8円7,006円
瞬間式使用91kWh約235.1円2,821円
不使用119kWh約307.4円3,689円

表6:便座の種類別の電気代比較表
出典:経済産業省資源エネルギー庁|省エネ性能カタログ2024年版 を参考に作成
※電気料金は1kWhあたり31円(税込)として計算

トイレ(温水洗浄便座)の節約術

  • トイレのフタ
    使わないときはフタを閉める
  • 便座の温度設定
    暖房便座の温度は低め
  • 洗浄水の温度設定
    洗浄水の温度設定は低め

年間節約金額 約2,500円

温水洗浄便座は、使い方を少し見直すだけで節電につながります。便座や洗浄水の温度設定を低めにしたり、使わないときにフタを閉めるだけでも電気代を抑えることが可能です。

設定を工夫することで、年間約2,500円の節約も目指せますよ。

電力会社・料金プランの見直しでさらに節約!

家電の使い方を見直すだけでなく、電力会社や料金プランを見直すことも、電気代節約にはとても効果的です。

現在は自由に電力会社を選べる時代。
家庭のライフスタイルや使用量に合ったプランを選ぶことで、年間で数千円〜1万円以上節約できるケースもあります。

電気の使用が多い時間帯に安くなる「時間帯別プラン」や、使用量に応じた「段階式プラン」など、自分にぴったりのプランを探してみましょう。

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執筆者

小売電気アドバイザー

大山 泰正

小売電気アドバイザーの資格を持ち、電気の比較・情報サイト「エネべる」を運営しています。運営会社である株式会社enebellの代表取締役として、電力業界の最新情報や節約術に関する豊富な知識を提供。電力自由化や最適な電力プラン選びに関するアドバイスを分かりやすく解説しています。