
契約アンペアの変更は、年間を通じて電気代を大きく削減する効果があります。
契約アンペアを適切に設定することで、無駄な基本料金を抑えつつ、必要な電力を確保することが可能です。
本記事では、まず契約アンペアの基本概念とその重要性を説明し、
次にアンペアの調整によって具体的にどの程度電気代が削減できるかを紹介します。
さらに、記事全体の概要として、アンペアの理解、選び方、変更手続き、そして実際の事例について詳しく解説します。
契約アンペアを知ることは電気代節約への第一歩!
具体的な電気代への影響を想像しながら、一緒に読み進めていきましょう!
この記事はこんな方におすすめです
- 「契約アンペアってなに!?」という方
- 適切な契約アンペアを知りたい方
- 契約アンペアを抑えることで電気代を削減したい方
アンペアとは?

「そもそもアンペアってなに?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
このセクションでは「アンペアとはなにか」や「アンペアと電気代の関係」について、
具体例を挙げながら分かりやすく紹介しています。
電流の単位とその意味
電流の基本単位であるアンペア(A)は、電流の流れる大きさを表します。
例えば、家庭用の電力供給ではアンペアが電力の供給能力を決定し、適切な電流が確保されることで安全かつ効率的に電化製品を使用することが可能です。
また、アンペア(A)はワット(W)やボルト(V)と密接に関連しています。
単位 | 意味 |
アンペア(A) | 電流の流れる大きさ 同時に電化製品を使える上限 アンペア(A) = ワット(W) ÷ ボルト(V) |
ボルト(V) | 電流を押し出す電圧の大きさ 家庭用コンセントは100Vで統一 ボルト(V) = ワット(W) ÷ ボルト(V) |
ワット(W) | 消費または供給されるエネルギーの量 ワット(W)= ボルト(V)× アンペア(A) |
日常生活において、アンペアはさまざまな電化製品の使用状況に反映されています。
例えば、一般的なLED電球は約0.5A程度の電流を必要としますが、エアコンや電子レンジなどの高消費電力の家電製品は10Aを超える電流を必要とする場合もあります。
これにより、家庭内で同時に複数の高電流機器を使用すると、アンペアの限界に達しブレーカーが落ちることがあります。
適切なアンペアを理解し管理することで、電力の無駄を防ぎ、効率的なエネルギー利用が可能となります。
契約アンペアと基本料金の関係
電気契約における契約アンペアは、基本料金に直接影響します。
契約アンペアが大きくなるほど、基本料金が高く設定されるのが一般的です。
これは、契約時に電力会社が提供できる最大の電力量が増えるため、その分のインフラや設備の維持コストが基本料金に反映されるからです。
契約アンペアを20アンペアから40アンペアに増やすと、基本料金は月額で数百円から千円程度上昇することがあります。
例えば東京電力エナジーパートナーの場合、契約アンペアごとの基本料金は以下の通りです。
契約アンペア | 基本料金(税込) |
10アンペア | 311円75銭 |
15アンペア | 467円63銭 |
20アンペア | 623円50銭 |
30アンペア | 935円25銭 |
40アンペア | 1,247円00銭 |
50アンペア | 1,558円75銭 |
60アンペア | 1,870円50銭 |
出典:東京電力エナジーパートナー「電気の料金プラン一覧」をもとに作成
※関東エリア、スタンダードSの想定
契約アンペアが20アンペアから40アンペアに増えた場合、基本料金は月額で623円50銭上昇することがわかります。
一か月あたりの電気代でみても比較的大きな金額ですが、年間にすると7,482円とその影響力の大きさがわかります。
したがって、家庭の電力使用状況に適したアンペアを選定することが、無駄な基本料金を避け、電気代の節約につながる重要なポイントとなります。
契約アンペアと消費電力の関係
契約アンペアは、ご家庭での電力使用量に直結しており、その数値が大きいほど、同時に多くの家電製品を使用することが可能になります。
例えば、60アンペアの契約では、冷蔵庫、エアコン、電子レンジなどの主要な家電を同時に使用してもブレーカーが落ちにくくなります。したがって、無駄な電力使用に気が付きにくくなります。
一方で、契約アンペアが低すぎると、同時に複数の家電を使用した際にブレーカーが頻繁に落ちてしまい、日常生活に支障をきたす可能性があります。
例えば、20アンペアの契約では、エアコンと電子レンジを同時に使用するだけでブレーカーが落ちてしまうことがあります。
適切な契約アンペアを設定することで、家電の効率的な使用が可能となり、無駄な電力消費を抑えることができます。これにより、電気代の節約につながり、家計管理の一助となります。
このセクションのポイント
- アンペア(A)は電流の流れる大きさのこと
- 契約アンペアは一般的に電気代(基本料金)に直結する
- 適切な契約アンペアは無駄な電力消費を抑える
適切な契約アンペアの選び方

「契約アンペアについては分かったけど、適切な契約アンペアはどうやって選べばいいの?」
このセクションでは、適切な契約アンペアの選び方について紹介しています。
ご自身の使用状況をイメージしながら読み進めていきましょう!
世帯人数と使用状況を考慮する
契約アンペアを適切に選ぶためには、世帯人数と電力使用状況をしっかりと把握することが重要です。世帯人数が増えると、使用する電力量も増加するため、必要なアンペア数も変わってきます。
例えば、共働きで家電の使用が多い家庭では、適切なアンペア数を確保しないと電力不足になる可能性があります。
一方、電気の使用が少ない家庭では、無駄なアンペア数を契約してしまうと基本料金が高くなり、結果的に電気代が増加してしまいます。
日常の電力使用状況を定期的に確認し、効率的な電力管理を行うことが大切です。
家計簿アプリやスマートメーターを活用して、どの家電がどれだけの電力を消費しているかを把握しましょう。
これにより、無駄な電力消費を見直し、最適なアンペア数を維持することで、月々の電気代を効果的に削減することができます。
電化製品の容量と使用量の把握
家庭内の電化製品の容量と使用量を正しく把握することは、電気代を効果的に削減するための第一歩です。
以下では、各家電製品の消費電力を確認し、総消費電力量を計算する方法、さらには家計管理アプリやスマートメーターを活用した効率的な電力使用の方法について詳しく解説します。
各家電製品の消費電力(W)を確認する方法
まず、各電化製品の消費電力を確認することが重要です。
多くの家電製品には、製品本体または取扱説明書に消費電力(W)が記載されています。
また、電源コードに貼られているラベルにも記載されている場合が多いです。
消費電力が記載されていない場合は、メーカーのウェブサイトやカスタマーサポートに問い合わせることで確認できます。
消費電力を知ることで、どの家電がどれだけの電力を使用しているかを把握できます。
家計管理アプリやスマートメーターの活用事例
消費電力の管理をさらに簡単にするために、家計管理アプリやスマートメーターの活用が有効です。
家計管理アプリやスマートメーターを活用することで、どの時間に最も電気を使用しているのかを可視化することができ、簡単にピーク時の消費電力(W)を確認することができます。
- スマートメーターや、さらに便利な「HEMS」について知りたい方はこちら
HEMSって何?仕組みとメリット・デメリットを徹底解説
これらの方法を駆使して、家庭内の電力使用状況を正確に把握することで、無駄な電力消費を減らし、効果的な電気代の削減が可能になります。
ピーク時の消費電力(W)をもとに適切な契約アンペアを計算する方法
再掲になりますが、アンペア(A)は以下の計算式で求められます。
アンペア(A) = ワット(W) ÷ ボルト(V)
以下の例で具体的に適切な契約アンペアを計算してみましょう。
【例】朝の時間帯に多くの家電製品を使い、以下の家電を同時に使うことがある
・電子レンジ:1,200W
・コーヒーメーカー:500W
・ドライヤー:1,000W
・エアコン:1,500W
⇒合計4,200W
アンペア(A)はワット(W)÷ボルト(V)で求められるので、
この瞬間のアンペアは42A(= 4,200W ÷ 100V)
※一般家庭のコンセントは100Vで統一
したがって、ブレーカーが落ちないようにするためには50A以上の契約が必要。
上記はあくまで一例であり、オール電化の家庭や4人以上の世帯などではさらに大きな契約アンペアが必要になる場合もあります。
- オール電化にした場合の電気代について詳しく知りたい方はこちら
オール電化にしたら予想以上に電気代が高い?原因と見直しポイントをわかりやすく解説
このセクションのポイント
- 各家電製品の消費電力量(kWh)を確認しよう
- スマートメーター等の機器を活用することで消費電力量の見える化が可能
契約アンペアの変更方法

さて、次のセクションでは現在の契約アンペアの確認方法や、具体的な変更手続きについて解説しています。
それでは見ていきましょう!
現在の契約アンペアの確認方法
現在の契約アンペアを正確に確認することは、電気代の削減や適切な電力使用において非常に重要です。
以下では、家庭内で簡単にアンペア数を確認するための3つの方法を詳しく説明します。
- 家庭内のアンペアブレーカーを確認する
- 検針票から契約アンペアを見つける
- スマートメーターを利用して遠隔で確認する
家庭内のアンペアブレーカーを確認する

家庭のブレーカー盤にあるアンペアブレーカーを確認することで、現在の契約アンペアを把握できます。
ブレーカー盤には各回路に対応するブレーカーがあり、全体の容量が表示されています。
以下は東京電力エナジーパートナーの例です。
アンペアブレーカーの色 | 契約アンペア |
赤 | 10A |
桃 | 15A |
黄 | 20A |
緑 | 30A |
灰 | 40A |
茶 | 50A |
紫 | 60A |
検針票から契約アンペアを見つける
電力会社から送付される検針票やWeb検針票には、契約しているアンペアが記載されています。
請求書の「基本料金」欄や「契約内容」セクションを確認し、現在の契約アンペアを特定しましょう。
例えば東京電力エナジーパートナーの場合、「Web検針票」や「郵送用検針票」から契約アンペアの確認ができます。
スマートメーターを利用して遠隔で確認する
スマートメーターを導入している場合、専用のアプリやウェブサービスを通じて契約アンペアを確認することができます。
これにより、リアルタイムで電力使用状況を把握し、必要に応じて契約アンペアの変更を検討できます。
これらの方法を活用して、現在の契約アンペアを正確に把握し、最適な電力使用を実現しましょう。
電力会社への連絡と手続き
契約アンペアの変更を希望する際には、電力会社への連絡と手続きが必要です。
以下のステップに従って、スムーズに手続きを進めましょう。
- 連絡方法の選択
- 電話やウェブサイト、メールなど、電力会社が提供する様々な連絡方法から最適なものを選びます。
- 電話やウェブサイト、メールなど、電力会社が提供する様々な連絡方法から最適なものを選びます。
- 必要な情報の準備
- 契約者情報、現在の契約アンペア、希望する変更内容などを事前に準備しておきます。
- 契約者情報、現在の契約アンペア、希望する変更内容などを事前に準備しておきます。
- 手続の実施
- 選択した連絡方法を通じて電力会社に連絡し、契約アンペアの変更手続きを依頼します。
- 選択した連絡方法を通じて電力会社に連絡し、契約アンペアの変更手続きを依頼します。
- 工事のスケジュール調整
- アンペアブレーカーの取り替えが必要な場合、電力会社と工事の日程を調整します。
- アンペアブレーカーの取り替えが必要な場合、電力会社と工事の日程を調整します。
- 手続き完了の確認
- 手続きが完了したら、契約変更が正しく反映されているかを確認します
- 手続きが完了したら、契約変更が正しく反映されているかを確認します
手続きには通常、数日から数週間かかる場合があります。
費用については変更内容や電力会社によって異なるため、事前に確認することが重要です。
また、手続き中は電力の供給が一時中断することがあるため、注意事項を事前に確認し、計画的に進めましょう。
このセクションのポイント
- 現在の契約アンペアを確認しよう
- 電力会社に連絡し、変更の手続きをしよう
契約アンペアを変更する際の注意点

具体的な契約アンペアの変更について、理解は深まりましたでしょうか?
契約アンペアの変更にはいくつか注意点もあります。
このセクションではそんな注意点についてわかりやすく紹介しています。
年1回の変更制限
契約アンペアの変更は原則、年に一度に制限されています。
これは電力会社が電力供給の安定性を維持するためです。頻繁な変更が行われると、電力システムに負荷がかかり、管理や運用が複雑になるため、年間一回の制限が設けられています。
この制限により、計画的かつ効率的な電力管理が可能となり、全体的なサービス品質の向上にも寄与しています。
変更制限の影響とメリット・デメリットについてまとめると、以下のようになります。
メリット | ・計画的な電力使用の見直しが促進される ・無駄な電力消費を減らす機会が提供される ・電力会社側も管理コストを抑えられる |
デメリット | ・急な生活環境の変化に対応しづらくなる |
制限内での最適な変更タイミングと方法を活用するためには、まず自身の電力使用状況を定期的に把握することが重要です。
例えば、新居への引っ越しや家族構成の変化、主要な家電の買い替え時などに合わせて変更を検討すると効果的です。
また、電気代の節約目標を明確にし、年間一回の変更機会を最大限に活用するための計画を立てることが推奨されます。
具体的には、季節の変わり目や大きな節電イベント前にアンペア数を見直すことで、無駄なコストを削減しやすくなります。
賃貸や集合住宅での制限
賃貸や集合住宅では、契約アンペアの変更に対して一定の制限が設けられている場合があります。
これは、建物全体の電力管理や安全性を確保するために重要です。
以下に、主な制限事項や変更手続きについて詳しく説明します。
契約アンペア変更の一般的な制限事項
・建物全体の電力容量に基づく最大アンペアの制限
・共用部分の電気設備に影響を与えないための規定
・安全基準を満たすための技術的要件
管理者への申請方法
- 現在のアンペア数と必要な変更内容を整理する
- 管理会社や大家に連絡し、変更申請の意向を伝える
- 必要な書類や手続きを確認し、提出する
- 変更工事の日程調整と実施を依頼する
これらの情報を参考にすることで、賃貸や集合住宅におけるアンペア数変更の際の不安を解消し、適切な手続きを進めることができます。
このセクションのポイント
- 契約アンペアの変更は、原則年に一度まで
- 賃貸や集合住宅の場合、変更に制限がある場合がある
基本料金の変化と電気代削減

ここまで契約アンペアの見直し方法についてご紹介してきました。
最後のセクションでは、契約アンペアの変更による電気代節約の影響がいつ頃実感できるのか、またその他の電気代削減策についてもご紹介します。
契約アンペア変更後の基本料金適用時期
契約アンペア変更後の基本料金が適用される時期について詳しく解説します。
変更手続きを行った後、実際に新しい基本料金が反映されるまでのタイムラインを理解することは非常に重要です。
契約アンペア変更の申請から適用開始までのタイムラインは、通常申請後約1ヶ月前後となります。電力会社によって多少の違いはありますが、多くの場合、変更手続きが完了した月の翌月から新しい基本料金が適用されます。
使用計量日と料金計算の方法については、最終的な使用量が確定した後に新しい基本料金が適用されます。
具体的には、契約アンペア変更を申請した日から次の計量日までの期間に基づいて料金が計算されます。このため、タイミングによっては申請から適用までに1回分の基本料金が旧料金で適用される場合があります。
最後に、変更後の請求書に反映される方法や確認ポイントについてですが、新しい基本料金が正しく適用されているか確認するためには、請求書の「基本料金」欄をしっかりとチェックすることが大切です。
万が一誤りがある場合は、速やかに電力会社に連絡し修正を依頼しましょう。
電気料金プランの見直し
電気料金プランの見直しは、月々の電気代を効果的に削減するための重要なステップです。
現在のプランが自分の電力使用状況に適しているかを評価することで、無駄な基本料金や割高な料金体系を避けることができます。
特に、家族構成や生活スタイルの変化に合わせて最適なプランを選ぶことが、長期的な節約につながります。
よりコスト効率の良いプランへの切り替えは、簡単な手続きで実現可能です。
電力会社のウェブサイトや比較サイトを活用して、自分に最適なプランを見つけましょう。
例えば、使用量に応じた料金体系や時間帯別料金を提供するプランを選ぶことで、具体的な電気代の削減が期待できます。
また、プラン変更前にシミュレーションを行い、実際の節約効果を確認することもおすすめです。
- おすすめの電力会社はこちらで紹介しています
オール電化のおすすめ電力会社は?人気プラン比較で電気代のムダをカット【2025年版】
このセクションのポイント
- 契約アンペアを変更してから実際に電気代に影響が出るまでにタイムラグがある
- 契約アンペアの見直しとあわせて、電気料金プランの見直しもおすすめ!
まとめ
まずは、適切な契約アンペアについて考えてみよう!
契約アンペアの見直しは、日々の節電努力と同様、非常に効果的な電気代削減策です。
契約アンペアを見直すことで、年間数千円程度の節約も可能です。
無駄に高い契約アンペアになっていないか、この機会にぜひチェックしてみましょう!
さらに、契約アンペアの見直しに加えて、現在の電力会社や料金プランが本当に自分のライフスタイルに合っているかを見直すことも大切です。比較サイトやシミュレーターを活用すれば、数分で簡単に診断ができます。
ちょっとの見直しが、家計に大きなゆとりをもたらす第一歩。
今すぐアクションを起こして、無理なく効率的な電気代の節約をはじめましょう。
「具体的にどんな電力会社を選べばいいの?」
そう感じた方には以下の記事もおすすめです。
「適切な契約アンペアを知ること」、「適切な電力会社を知ること」は電気代節約の大きな一歩です!
ぜひ一度、適切な電気契約について考えてみましょう。


執筆者
小売電気アドバイザー
大山 泰正
小売電気アドバイザーの資格を持ち、電気の比較・情報サイト「エネべる」を運営しています。運営会社である株式会社enebellの代表取締役として、電力業界の最新情報や節約術に関する豊富な知識を提供。電力自由化や最適な電力プラン選びに関するアドバイスを分かりやすく解説しています。