
最近、電気代やガス代が高くなってきたと感じていませんか?とくにこれから夏に向けて、エアコンの使用が増えることで電気代が上がるのでは…と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、少しでも負担を減らすために、今回発表されたのが「電気・ガスの料金支援」です。
「うちは対象になるの?」「申請って必要?」「どれくらい安くなるの?」と気になる方も多いと思います。
この記事では、今回の補助金制度の内容や対象条件、値引きのしくみから、申請の有無、さらには光熱費をもっと節約するためのコツまで、わかりやすくご紹介します。
2025年最新の「電気・ガスの料金支援」とは?
暑さが厳しくなる夏に向けて、光熱費が心配…そんな声に応えるため、2025年夏も「電気・ガスの料金支援」がスタートします。
7月から9月の3か月間、家庭やお店の電気・ガス代が少しおトクに。
物価高や電気代の上昇を少しでも和らげるためのこの制度、どんな内容なのか?対象は?申請は必要?わかりやすくご紹介します!
制度の概要と目的
この支援制度は、電力や都市ガスの小売事業者を通じて、電気・ガス料金を使用量に応じて値引きする仕組みです。
- 実施期間:2025年7月使用分から9月使用分まで
- 対象者:一般家庭および年間契約量1,000万㎥未満の企業等
- 申請:不要。契約中の電力・ガス会社が補助を受けて自動的に値引きされます。
【制度の目的】
この支援の主な目的は、夏季の電力・ガス使用量の増加や物価高騰による家庭や中小企業の経済的負担を軽減することです。
政府は、エネルギー価格の高騰や円安の影響で光熱費が上昇している現状を踏まえ、特に使用量が増える夏季において、国民の生活を守るための対策としてこの制度を実施しています。
この支援により、家庭や中小企業の光熱費負担が軽減され、安心して夏を過ごすことができるようになります。
なぜこの補助が行われているのか?
近年、原油や天然ガスなどのエネルギー価格が世界的に高騰し、日本国内でも電気・ガス代が大きく値上がりしています。さらに、円安や物価の上昇が重なり、家計や中小企業の経営を圧迫する状況が続いています。
特に夏はエアコン使用などで電力使用量が増えるため、光熱費の負担が一気に重くなる時期。こうした影響を少しでも和らげ、安心して生活できるようにするため、政府は期間限定の料金支援を実施しています。
この補助は、暮らしやすさを守るための「生活支援策」としての意味合いも強く、多くの人にとって大切な「夏のサポート」となっています。
補助の内容と対象条件
では実際に、今回の「電気・ガス料金支援」ではどのくらいの補助が受けられるのでしょうか?
気になるのは、いくら安くなるのか、自分は対象なのか、そして何か手続きが必要なのか…という点ですよね。
ここでは、電気・ガスの値引き額や補助の対象条件、申請の有無など、制度の基本情報をわかりやすくまとめてご紹介します。
電気・ガス料金の値引き額
対象期間 | 電気 | ガス |
---|---|---|
2025年7月使用分・9月使用分 | 低圧 2.0円/kWh 高圧 1.0円/kWh | 8.0円/㎥ |
2025年8月使用分 | 低圧 2.4円/kWh 高圧 1.2円/kWh | 10.0円/㎥ |
引用:経済産業省資源エネルギー庁|エネルギー価格の支援について
2025年夏の「電気・ガス料金支援」制度では、家庭や中小企業の光熱費負担を軽減するため、電気および都市ガスの使用量に応じた料金の値引きが実施されます。
これらの値引きは、契約している電力・ガス会社が国からの補助を受けて自動的に適用されるため、利用者が個別に申請する必要はありません。
詳細な情報や最新の値引き単価については、資源エネルギー庁の公式サイトをご確認ください。
補助の対象者・対象条件
電気料金の補助対象
- 高圧契約の利用者:中小企業など、高圧契約で電気を利用している事業者。
- 低圧契約の利用者:一般家庭や小規模事業者など、低圧契約で電気を利用している方々。
都市ガス料金の補助対象
- 年間契約量が1,000万㎥未満の利用者:一般家庭や中小企業など、都市ガスの年間契約量が1,000万㎥未満の方々。
申請は必要?自動で適用される?
この支援制度は、契約中の電力会社やガス会社が国からの補助を受けて、利用者の月々の請求額から自動的に値引きを行う仕組みです。
そのため、利用者が個別に申請手続きを行う必要はありません。
値引き額は、毎月の検針票や請求書、または各社のマイページなどで確認できます。なお、補助を受けるために個人情報や手数料を求める不審な連絡にはご注意ください。
正確な情報や詳細については、資源エネルギー庁の公式サイトをご確認ください。
世帯人数別の値引きイメージ

ここでは、経済産業省が公表している「電気・ガス料金支援サイト」の情報をもとに、世帯人数ごとの使用量を目安にした補助金の値引き額の試算をご紹介します。
「自分の家庭だと、どのくらい安くなるの?」と気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目安の使用量は以下の通りです。
- 1人暮らし(電力使用量200kWh)
- 2~3人世帯(電力使用量350kWh)
- 4人以上の世帯(電力使用量500kWh)
それぞれのケースに分けて、どのくらい値引きされるのかをわかりやすく解説します。
1人暮らしの場合
【電気料金】
使用月 | 電気の値引き単価 | 値引き額 |
---|---|---|
2025年7月 | 2.0円/kWh | 400円 |
2025年8月 | 2.4円/kWh | 480円 |
2025年9月 | 2.0円/kWh | 400円 |
【都市ガス料金】
使用月 | 都市ガスの値引き単価 | 値引き額 |
---|---|---|
2025年7月 | 8.0円/㎥ | 240円 |
2025年8月 | 10.0円/㎥ | 300円 |
2025年9月 | 8.0円/㎥ | 240円 |
1人暮らしの世帯でも、2025年夏の電気・ガス料金支援で月々の光熱費がしっかり軽減されます。
電気は1kWhあたり約2円前後、ガスは1㎥あたり8〜10円の値引きが自動適用され、使用量に応じて数百円〜数千円の負担軽減が期待できます。
申請は不要で、契約先の電力・ガス会社が請求額から自動的に割引を反映。夏の電気代やガス代の節約に役立つ制度です。最新の情報は資源エネルギー庁の公式サイトでご確認ください。
2~3人世帯の場合
【電気料金】
使用月 | 電気の値引き単価 | 値引き額 |
---|---|---|
2025年7月 | 2.0円/kWh | 700円 |
2025年8月 | 2.4円/kWh | 840円 |
2025年9月 | 2.0円/kWh | 700円 |
【都市ガス料金】
使用月 | 都市ガスの値引き単価 | 値引き額 |
---|---|---|
2025年7月 | 8.0円/㎥ | 400円 |
2025年8月 | 10.0円/㎥ | 500円 |
2025年9月 | 8.0円/㎥ | 400円 |
2~3人世帯では、1人暮らしより電気・ガスの使用量が増えるため、より大きな値引き効果が期待できます。
使用量によりますが、月に約1,000円の負担軽減が見込まれます。
4人以上の世帯の場合
【電気料金】
使用月 | 電気の値引き単価 | 値引き額 |
---|---|---|
2025年7月 | 2.0円/kWh | 1,000円 |
2025年8月 | 2.4円/kWh | 1,200円 |
2025年9月 | 2.0円/kWh | 1,000円 |
【都市ガス料金】
使用月 | 都市ガスの値引き単価 | 値引き額 |
---|---|---|
2025年7月 | 8.0円/㎥ | 560円 |
2025年8月 | 10.0円/㎥ | 700円 |
2025年9月 | 8.0円/㎥ | 560円 |
4人以上の世帯では、使用量が多いため、月に1,500円前後の負担軽減が見込めます。契約先の電力・ガス会社が自動的に割引を適用するので、申請は不要です。詳しくは資源エネルギー庁の公式サイトをご確認ください。
過去に実施された光熱費支援策
ここ数年、物価高やエネルギー価格の上昇を受けて、政府は家庭や企業の光熱費負担を軽減するため、さまざまな支援策を実施してきました。特に電気やガス料金の高騰が続く中で、「激変緩和措置」や「酷暑乗り切り緊急支援」など、季節や情勢に応じた補助が行われています。
ここでは、これまでに実施された代表的な光熱費支援策を振り返りながら、それぞれの概要をご紹介します。

「激変緩和措置」(2023年1月~2024年5月)
「激変緩和措置」は、電気代やガス代の急な値上がりによって、家計や経営が苦しくならないように、国が行っていた支援策です。2023年1月からはじまり、電気や都市ガスを使った分に応じて、自動的に料金が割引されるしくみでした。
当初は2023年いっぱいの予定でしたが、物価の状況をふまえて、2024年4月分まで延長。その後、2024年5月分からは割引の幅が少しずつ縮小されることになりました。
毎月の請求書に「燃料費調整額」や「補助による割引額」が書かれていた方も多いと思います。この期間中、多くの家庭で光熱費の負担がやわらいでいた、ありがたい制度でした。
「酷暑乗り切り緊急支援」(2024年8月~10月)
「酷暑乗り切り緊急支援」は、家庭や事業者の負担を少しでも軽くするために実施された支援策です。
この支援では、2024年8月・9月・10月の使用分の電気・ガス料金について、使用量に応じた値引きが行われました。値引きは電力会社やガス会社を通じて自動的に適用され、特別な申請は不要。
また、従来の大手電力・ガス会社の「規制料金」だけでなく、新電力や都市ガスなどの「自由料金」のプランでも、参加している事業者であれば値引きの対象になりました。
つまり、多くのご家庭や企業がこの制度の恩恵を受けられるしくみとなっており、厳しい暑さの中でも安心して電気を使えるようにサポートしてくれる制度でした。
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2025年1月~3月)
「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は、1月から3月は、電気やガスの使用量が年間で最も多くなる時期。そんな冬の時期に、物価高などで生活が厳しい方々をサポートするために用意されたのが、この支援策です。
2025年1月~3月に使った電気や都市ガスの料金が、使用量に応じて自動的に割引されました。過去の支援同様で申請などの手続きは一切不要。普段通りに電気やガスを使っていれば、請求時にすでに割引された金額で請求されます。
「働きたくても働けない」「収入が不安定」といった事情を抱える人も含め、誰ひとり取り残さない支援として位置づけられており、寒い冬を少しでも安心して過ごせるようにサポートしてくれる制度した。
光熱費をさらに節約するには?

電気・ガスの補助金はありがたい支援ですが、毎月の光熱費をしっかり抑えるには、日頃の節電・節ガスの工夫も大切です。
そこでこの章では、すぐにできる節約のアイデアや、料金プラン・電力会社の見直しポイントなど、家計にやさしい具体的な方法をご紹介します。
いますぐできる節電・節ガス対策
【節電対策のポイント】
・エアコンの温度設定を見直す
設定温度を1〜2度調整するだけで、消費電力を大きく減らせます。夏は28℃、冬は20℃を目安にしましょう。
・使用していない家電のコンセントを抜く
待機電力も積もればムダな電気代に。使わない家電のコンセントはこまめに抜くのがおすすめです。
・テレビや照明はこまめにOFF
使わないときはこまめに消す習慣で無駄な電気を減らし、光熱費の節約につながります。
夏の暑さや冬の寒さでつい使いすぎてしまうエアコン。でも設定温度をほんの少し見直すだけで、ぐっと電気代を抑えられます。例えば夏は28℃、冬は20℃を目安に家族みんなで協力してみませんか?また、使っていない家電のコンセントをこまめに抜いたり、テレビや照明をこまめに消す習慣も大切です。小さな工夫をみんなで続けることで、家計に優しい節電生活が実現しますよ。
【節ガス対策のポイント】
・給湯温度の適切な見直し
高すぎる温度設定はガスのムダ使いに。冬は40℃くらいを目安に調整すると効率的です。
・節水シャワーの使用
お湯の使用量が減るので、ガスの使用も自然と少なくなります。簡単にできる節約術です。
・追い焚き回数の削減
お風呂のお湯を何度も温め直すとガス代がかさみます。家族で続けて入るなど工夫しましょう。
家族みんなでできる節ガスの工夫を始めてみませんか?まず、給湯の温度は高すぎるとムダが増えるので、冬は40℃くらいに設定するのがおすすめです。さらに、節水シャワーを使えばお湯の量を減らせて、自然とガス代も節約できます。そして、追い焚きを何度も繰り返すとガス代がかさむので、家族で続けてお風呂に入るなどの工夫も効果的です。みんなで少しずつ気をつけるだけで、ガス代がグッとお得になりますよ!
節電のプロが教える!おうちで簡単節約術【7選】

お得な料金プランや電力会社の見直し
電力会社やガス会社を見直すことで、光熱費が安くなるケースは意外と多いんです!最近は契約プランや料金体系がどんどん多様化していて、自分のライフスタイルや使用状況に合ったプランを選べば、同じ使い方でもおトクになる可能性があります。
たとえば、電気を使う時間帯を工夫して節約したい方には「市場連動型プラン」がおすすめ。ほかにも、電気とガスをまとめて契約したい方、基本料金の高さに悩んでいる方、オール電化住宅で光熱費が気になっている方など、目的に合わせて選べるプランが増えています。
「うちも見直した方がいいかも…?」と思ったら、こちらの記事も参考にしてみてください。
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よくある質問(FAQ)「自分は対象?」「どうやって確認するの?」など
Q.電気代の補助金はいつからですか?
A.2025年7月使用分から7月、8月、9月の3か月です。
今後経済産業省から詳細が発表されます。
Q.補助金によっていくら安くなりますか?
A.補助金の値引額は下記の表の通りです。
対象期間 | 電気 | 都市ガス |
---|---|---|
2025年7月使用分・9月使用分 | 低圧 2.0円/kWh 高圧 1.0円/kWh | 8.0円/㎥ |
2025年8月使用分 | 低圧 2.0円/kWh 高圧 1.0円/kWh | 10.0円/㎥ |
上記の単価に電気・ガスの使用量をかけることで、具体的な値引き額が計算できます。
Q.補助金がなくなったら電気代はどうなりますか?
A.補助金の終了後は、光熱費が元の料金に戻るため、同じ使い方をしていても電気代やガス代が高く感じるようになるかもしれません。
特にエアコンなどをよく使う夏や冬は、負担が一気に増える可能性もあります。
今のうちから電気・ガスの使い方を見直したり、自分に合った料金プランを検討したりすることが、家計の備えになります。
Q.補助金の申請方法はありますか?
A.申請しなくても自動で受けられます。
電気代の補助金は、申請しなくても自動で受けられる仕組みです。電力会社が国から補助を受けて、電気代が安くなるようにしてくれています。
ただし、すべての電力会社が補助金の対象というわけではありません。国に申請していない電力会社を使っていると、補助が受けられないことも。心配な方は、「経済産業省 資源エネルギー庁」のホームページで、契約中の電力会社が対象かどうかをチェックしてみましょう。
まとめ
2025年の最新「電気・ガス料金支援」制度は、電気代やガス代の高騰で家計が苦しくなる中、国が幅広い世帯を対象に負担軽減をサポートするものです。
使用量に応じて電気は1kWhあたり約2円〜2.4円、ガスは1㎥あたり8円〜10円の割引が自動的に適用されます。申請は不要で、請求書や検針票で割引額を確認できます。
過去の支援策と合わせて賢く活用し、さらに節電・節ガスの工夫で光熱費をしっかり節約しましょう。家計にやさしい最新情報をしっかりチェックすることが大切です。


執筆者
小売電気アドバイザー
大山 泰正
小売電気アドバイザーの資格を持ち、電気の比較・情報サイト「エネべる」を運営しています。運営会社である株式会社enebellの代表取締役として、電力業界の最新情報や節約術に関する豊富な知識を提供。電力自由化や最適な電力プラン選びに関するアドバイスを分かりやすく解説しています。