オール電化にしたら予想以上に電気代が高い?原因と見直しポイントをわかりやすく解説

オール電化にしたら予想以上に電気代が高い?原因と見直しポイントをわかりやすく解説 新着記事
オール電化にしたら予想以上に電気代が高い?原因と見直しポイントをわかりやすく解説

「オール電化にしたら予想以上に、電気代が上がった…」
「オール電化にする前より光熱費全体が高くなってる気がするのは、気のせいじゃない?」

そんな疑問や不安を抱えている方は少なくありません。

たしかに、オール電化はガスを使わずに電気一本にまとめることで、基本料金の削減や安全性の向上といったメリットがあります!
しかし近年、電力料金の値上げや制度変更、さらにはライフスタイルの変化などが重なり、思ったほど電気代が安くならない、むしろ高くなったと感じる家庭が増えてきています!

実際に、
・「去年の冬は2万円台だったのに、今年は3万円を超えた」
・「日中に在宅するようになってから電気代が跳ね上がった」
という声も多く寄せられています。

本記事では、オール電化なのに電気代が高くなる主な原因と、それをどう見直せば良いかを具体的かつわかりやすく解説します。

さらに後半では、オール電化におすすめの電力会社も紹介していくので、この記事をきっかけに、電気代のムダを減らす第一歩につながれば嬉しいです。

オール電化でも電気代が高いのはなぜ?

オール電化でも電気代が高いのはなぜ?

オール電化は「光熱費を一本化してラクになる」「ガス代がかからないからお得」といったメリットがありますが、使い方や契約内容によっては、かえって電気代が高くなるケースもあります。

ここでは、電気代が高くなる4つの主な原因をわかりやすく解説します。

ライフスタイルと料金プランが合っていない

オール電化では、電気の使用量だけでなく「いつ使うか」も料金に大きく影響します!

特に、時間帯によって料金単価が異なるプランを契約している場合、昼間の在宅時間が長い家庭ほど、電気代が高くなってしまいます!

たとえばこんなケース

ケース①:在宅ワークの日が増えてきた
  • 平日も昼間にエアコンやPCを使う時間が長くなっている
    → 昼間の高単価時間帯に使用が集中し、電気代がかさむ原因に
ケース②:子どもが小学生で、帰宅が早い
  • 15時台には帰宅して家におり、照明・テレビ・空調の稼働時間が長い
    → 昼間〜夕方にかけての使用量が多くなりがち
ケース③:食洗機や洗濯乾燥機などを日中にまとめて使用
  • 共働きで朝にまとめて家事をこなすスタイル
    → 家電の稼働が日中に偏ることで、まとめて高単価の時間帯に突入してしまう

このように、生活スタイルと料金プランが合っていないだけで、電気代に大きな差が出ることもあります。
一度、自宅のライフスタイルと電力使用のタイミングを見直してみましょう。

補足:エコキュートの「昼間運転」について

意外と見落としがちなのが、エコキュートの運転時間帯の設定です。
設定が「おまかせ」や「自動」のままだと、昼間に沸き上げを行ってしまうことがあります。
これにより、深夜電力ではなく昼間の高単価電力を大量に消費してしまうケースも。
エコキュートの設定メニューで「夜間のみ」や「深夜優先」に変更することで、電気代のムダを防げる可能性があります。

昼間の電気使用が多く、割高な時間帯に使っている

時間帯単価(目安)
夜間(1:00〜6:00)27.86円/kWh
昼間(6:00〜翌1:00)35.76円/kWh

東京電力エナジーパートナー|スマートライフS

夜間電力が安いオール電化プランを契約していても、実際の使用が昼間中心では意味がありません。

特に負荷が大きい家電(例:エアコン、IH調理器、洗濯乾燥機、食洗機など)を日中に集中して使っていると、電力量料金がかさんでしまいます。

たとえばこんな状況、思い当たりませんか?
・昼食づくりでIHコンロと電子レンジを同時に使用
・食後に食洗機を運転、その後洗濯乾燥機も稼働
・エアコンは日中ずっとON、テレビもつけっぱなし
これらがすべて昼間に集中すると、電力使用量が一気にピークに達します。

また、一時的な使用ではなく昼間にまとめて使う習慣がある場合は特に注意が必要です。
1日で見るとたいしたことがないようでも、月単位で見ると数千円〜1万円以上の差になることもあります。

契約プランが「時間帯別料金」になっているご家庭では、
電気を使うタイミングを夜間や早朝にずらすだけでも、電気代を抑えられる可能性があります。

契約容量(アンペア)が過剰で基本料金が高くなっている

電気代が高くなる原因は、使用量だけではありません。
実は「契約している容量(アンペア数やkVA)」によっても、毎月の基本料金が大きく変わってくるのです。。

よくあるケース:必要以上に高い契約
オール電化住宅は電気使用量が多くなる傾向があるため、念のため高めのアンペア数で契約している家庭も多いです。しかし、実際には50Aで足りる家庭が、60Aや8kVAで契約していた場合、それだけで毎月数百円〜1,000円近くのムダな基本料金が発生していることも。

契約容量は「家族の人数×使用家電」で目安が変わります。
以下のような変化があったご家庭は、見直しのタイミングかもしれません。
・オール電化にして10年以上、契約内容を一度も見直していない。
・以前は子育て期で高容量だったが、今は夫婦ふたり暮らし。
・大型家電を買い替えて、省エネモデルになった。

契約容量の見直しで、年間1万円以上の節約につながることもあります。

電源調達調整費や燃料費調整額が加算されている

最近の電気代アップの背景には、「電気の使用量」だけでなく、「調整費の上昇」も大きく関わっています。
とくに見落とされがちなのが、以下の2つの項目です:

  • 燃料費調整額
    火力発電などの燃料(LNG・石炭・原油など)の価格変動に応じて上下
  • 電源調達調整費
    2023年以降に登場した新たな料金項目。電力の仕入れ価格を調整するためのもの

実際の電気料金にどう影響する?

これらの調整費は、使用量に応じて上乗せされるため、電力を多く使うオール電化家庭では特に影響が大きくなります。

たとえば、同じ500kWhを使っていても

  • 調整費が0円だった頃:15,000円前後
  • 調整費が高騰した現在:18,000円〜20,000円以上になることも

「電気の使い方は変えてないのに、なんでこんなに高くなったの?」と感じる背景には、この2つの調整費の増加があるのです。

オール電化の電気代、どこが高い?【内訳をチェック】

オール電化の電気代、どこが高い?【内訳をチェック】

電気代が「なんとなく高い」と感じても、実際にどの部分がどれだけかかっているのかを把握している人は多くありません。まずは、電気代の構成要素から整理してみましょう。

電気料金の主な内訳(毎月)

項目内容備考
基本料金契約アンペアやkVAに応じた固定料金使用量に関係なくかかる
電力量料金使用量(kWh)×単価最も金額を左右する部分
燃料費調整額燃料の輸入価格変動に応じて加減高騰傾向が続いている
電源調達調整費電力の市場価格に連動して変動新設された項目で注目度高

オール電化で高くなりやすい項目は?

オール電化では「給湯・調理・冷暖房」をすべて電気でまかなうため、電力量料金の占める割合が非常に大きくなります。さらに、家電の使用時間帯やプランによっては、調整費の影響がより重くのしかかることも。

家庭モデル別:電気代の例(使用時間帯での差)

モデルライフスタイル月の電気使用量月額電気代(目安)備考
Aさん宅共働きで昼間は不在。夜間に電気使用が集中約500kWh約18,000円時間帯割引を活用できている
Bさん宅在宅ワーク+育児で昼間も家にいる約500kWh約24,000円割高な昼間に使用が集中している

同じ500kWhの使用量でも、使っている時間帯の違いだけで約6,000円の差が生じています。
これは、昼間の単価が高く設定されている料金プランを使っている場合によくあるケースです。
「うちはどの時間帯に一番電気を使ってる?」という視点で確認してみることが、見直しの第一歩になります。

季節ごとの平均電気代をチェック【1日あたりの目安付き】

オール電化では、冷暖房や給湯に電気を使うため、季節や生活リズムによって電気代が大きく変動します!

時期月額平均1日あたりの目安主な要因
夏場(冷房中心)約18,000円約600円エアコン、冷蔵庫の負荷増
冬場(暖房+給湯)約25,000〜30,000円約900〜1,000円エコキュート、床暖房などの稼働増
春・秋(中間期)約12,000〜15,000円約400〜500円冷暖房を使わない期間

※以下は、4人家族のオール電化住宅(戸建て)を想定した場合の目安です。
 実際の電気代は住まいや契約内容によって変動します。

「うちは平均より高いかも?」と感じたら、次にチェックしたいのがどの家電に多く使っているかです。

家電ごとの電力使用割合【見直しのヒントに】

以下は、一般的なオール電化家庭における月間電力量(kWh)の内訳例です。

家電・設備消費割合(目安)コメント
エコキュート(給湯)約30%昼間沸き上げると割高になることも
エアコン・暖房機器約25%冬場は長時間使用で負担が大きくなる
IHクッキングヒーター約10%同時使用や高火力で一気に消費
洗濯乾燥機・浴室乾燥約10%タイマー設定で夜間稼働に切り替えると◎
冷蔵庫・照明・その他約25%年中稼働。LED照明や省エネ家電も活用を

どこに、どれだけ電気を使っているかを知ることが、節約の第一歩。
このあと紹介する見直しポイントも、自宅の状況と照らし合わせながらチェックしてみましょう!

電気代が高いと感じたときの見直しポイント

電気代が高いと感じたときの見直しポイント

電気代が高いと感じたとき、「とにかく節電しよう」と我慢に走ってしまいがちですが、
実は「使い方を少し工夫する」「契約を見直す」といった方法で、
ムリなく・効果的に電気代を抑えることができます。

以下の3つのポイントから、あなたのご家庭に合った見直しを探してみましょう。

電気を使う時間帯を夜間へシフトしてみる

オール電化の料金プランでは、夜間(23:00〜翌7:00など)の単価が安く設定されていることが多く、
電気を使う時間をこの時間帯に寄せることで、電気代を抑えられる可能性があります。
生活スタイルを大きく変えずにできる夜間シフトの工夫もおすすめです。

たとえば:

  • 浴室乾燥機や衣類乾燥機を夜間に使う
    → タイマー機能を活用して、電気代が安くなる深夜時間帯に自動運転させる!
    → ドラム式洗濯乾燥機なら、乾燥のみを深夜に設定するのも◎
  • 電気式床暖房を夜間に立ち上げて、日中は保温中心にする
    → 初期加熱を深夜電力で済ませることで、昼間の電力使用を最小限に!
  • 蓄熱暖房機を夜間に蓄熱する設定に見直す
    → 築年数がやや古いオール電化住宅でよく使われている機器。昼間の追い炊きを防げるよう、設定確認を!
  • エコキュートの湯沸かし時間帯をチェックする
    → 設定が「おまかせ」や「自動」になっていると、昼間に沸き上げてしまっている可能性も
    → 深夜に集中して湯沸かしする設定に変更するだけでも、電気代の差は大きい

こうした時間帯をちょっと工夫するだけの改善でも、月1,000〜3,000円前後の差が出ることもあります。
無理に我慢せず、できるところから夜間シフトしていくのがコツです。

契約内容の確認(料金プラン・容量)

電気代が高くなっている原因が、「契約時のまま放置されたプランや容量設定」にあるケースも多く見られます。

プランの見直しが必要な例:

  • 契約当初は共働きで夜型生活だったが、今は在宅ワーク中心になって昼間に電気を多く使う
  • 夜間割安のプランを契約しているのに、実際は日中の電力使用が中心になっている

このようにライフスタイルと料金プランのズレがあると、気づかないうちに損をしてしまう可能性があります。

契約容量(アンペア・kVA)の見直しも重要

オール電化住宅では、必要以上に高い契約容量で契約してしまっていることも珍しくありません。

たとえば、実際には50Aで足りる家庭が、60Aや8kVAなどで契約してしまっていると、それだけで毎月数百円〜1,000円近い基本料金のムダが発生してしまいます。

以前より家族人数が減っていたり、省エネ家電に買い替えたりしているご家庭は、一度見直してみる価値があります!

料金プランや契約容量は、一度契約してから何年も見直していないご家庭がほとんどです。
「うちはこのままでいいのかな?」と感じたら、チェックしてみるだけでも違います。

電力会社の見直しも選択肢のひとつ

今使っている電力会社のプランが、オール電化向けに最適とは限りません。
特に最近は、新電力を含めたさまざまなプランが登場しており、生活スタイルに合わせた最適な選択がしやすくなっています。

電力会社を選ぶときにチェックしたいポイント
単価だけで判断せず、料金プランの中身に注目することが大切です。以下の3つをチェックしてみましょう。

  • 夜間料金の設定はあるか?
    → 夜に電気を使うことが多いご家庭では、時間帯による単価の違いが大きな節約ポイントになります。
  • 燃料費調整額・電源調達調整費はどのように設定されているか?
    → 調整費が抑えられている会社や、あらかじめ上限を設けているプランもあります。
  • 基本料金の有無や契約期間の縛り
    → 基本料金ゼロ=安いとは限らず、単価や調整費とのバランスも重要。契約年数の縛りも忘れずにチェック。

いくつかのプラン傾向

電力会社によっては、以下のような特色あるプランが用意されています:

  • 使った分だけ支払う、シンプルな料金体系
    → 基本料金・調整費がなく、電力量料金のみ。家計管理がしやすいのが特徴です。
  • 夜間料金が安く、昼間の使用を避ければお得になるプラン
    → 生活リズムを変えずに電気代を抑えたい方に向いています。
  • 時間帯によって料金が変動する価格連動型プラン
    → 前日に翌日の単価が決まるため、計画的に使いやすいのが特長
    電気を使う時間を調整できるご家庭なら、大幅な節約も期待できます。

「うちはどのタイプが合いそう?」と感じた方は、
一度ご家庭のライフスタイルと照らし合わせてみると、意外な節約のヒントが見つかるかもしれません。

まとめ|オール電化の電気代、まずは「今の状況」を知ることから

オール電化=電気代が安い、というイメージを持っていたのに、いざ暮らしてみると「意外と高い…」と感じる。そんな声が増えています。
でもその原因は、必ずしも「使いすぎ」や「ムダ遣い」だけではありません。

  • ライフスタイルと料金プランのミスマッチ
  • 割高な時間帯への使用集中
  • 契約容量の過剰設定
  • 見落としがちな調整費の増加

こうした構造的な理由が積み重なって、思った以上の請求額になっていることがほとんどです。

まずはご自身の使い方や契約内容を振り返り、「今の家庭に合っているか?」を見直すことから始めてみましょう。

そして、「どんな選び方があるのか」「他社に変えるとどうなるのか」を知ることも、ムリなく電気代を抑える第一歩になります。

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執筆者

小売電気アドバイザー

大山 泰正

小売電気アドバイザーの資格を持ち、電気の比較・情報サイト「エネべる」を運営しています。運営会社である株式会社enebellの代表取締役として、電力業界の最新情報や節約術に関する豊富な知識を提供。電力自由化や最適な電力プラン選びに関するアドバイスを分かりやすく解説しています。